夢の中のぼくはどうも三人兄妹のようで、姉らしき人と我が家を眺めながら、妹が三階建ての小さなお城の、天守閣から見下ろすお殿様のように暮らしていることを、
「どうしてあいつが、あんな所を自分の部屋にしているんだ。」
と、ぼくがうらやんでつぶやくと。
「わたしたちだっていたことあるわよ。覚えてないの?」
と、姉らしき人にからかうように言われ考えていると、
「母さんが怒って、無理やりあそこに閉じ込めたのよ。」
幼いころの薄気味悪い記憶が蘇り、妹の自惚れた態度が一気に、必死になって突っ張り返すしかないほど追い込まれた者のように感じられ、感慨深く眠りから覚めたのでした。
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